伊勢志摩元気プロジェクトについて

プロジェクト概要

 「伊勢志摩元気プロジェクト」は、子どもを育む環境づくりを推進する代々木高校が、産業創出、地域活性化を目指し呼びかけたのが始まりです。

 代々木高校は、1993年4月、東京に於いてAlternative School(無認可高校)を設立し不登校生など、全日制高校に馴染めない生徒を2000人以上送り出してきました。2005年2月、志摩市(2004年10月志摩郡5町が合併人口6万人)より伊勢志摩インターネット高校特区として広域通信制の高校の認可を頂きました。

 この認可は、志摩市阿児町が海外からの「光海底ケーブルの陸揚げ基地」になっているという土地柄と、観光が下火になり「空きホテル」の有効活用を考えていた自治体と、「学校施設」を中心に「子どもたちの育ち環境」創りを模索していた代々木高校の思いと合致して、誕生しました。

 認可後すぐに取りかかったことが、素敵なホテルを利用して、年齢の異なる『子どもたち』と様々な『大人たち』が一緒に活動できる「ミニ社会」を構築する試みでした。

img_03.jpg 多様な人々の交流の場には必ず「気づき」があり、それまでは忘れ去られていた本来あるべき人とのふれ合いがあり、その重要性を再確認させてくれるからです。 この交流の場こそが、我々がずっと求めていた子どもたちの「育ち環境」なのです。

 活き活きと自分の町に誇りの持てる地域では、子ども達はすくすく育ちます。 町の活性化は、子育て環境の構築でもあるのです。

 現在、活動し始めたプロジェクトは以下の三つです。

  1. 子育て支援関連の行政・NPO団体のプラットフォームである「志摩子どもランド」
  2. 地域の資源を改めて掘り起こし、研究・発信するための「賢島大学」 3.これらを含めた活動をインキュベートする「伊勢志摩ビジネスファクトリー」

 これらを総称して、「伊勢志摩元気プロジェクト」と呼んでいます。

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「志摩子どもランド」(志摩市教育委員会、福祉課が担当窓口)

 img_04.jpg 志摩市阿児町の「子育て支援室」と志摩市の親子サークル事業「ほっとひろば」の二つが2006年12月代々木高校内に移転して来たのを皮切りに、●「キッズクラブ・ジャングルジム」●「キッズwithキッチン」●「とっぴんぱらりのぷう」●「ツインズ」●「こつぶっち」●「フリースクールよよこ~」、そして「代々木高校」などが一つの大きな子ども支援NPOプラットフォームとして活動始めています。

 既に0歳児から未成年者の「子ども」と各活動を支える「大人」、全世代が交流する状況が出来上がり、子ども同士でも異年齢間の遊びが生まれてきます。

 また、各団体の経営資源の統合により、効率化を進め、延長学童、学習学童、延長託児などを併設して行きたいと考えています。

*現状では、行政とNPOの協働推進させるためには、NPO及び活動に関わる市民が行政と対等な仕事が出来るように成長する必要があると考えています。 「志摩子どもランド」プロジェクトの活動を通し、社会システムや責任についても同時に学んでいけると考えています

「賢島大学」

 img_05.jpg 志摩市には素晴らしい、自然、産業、歴史などがまだまだ沢山眠っています。 地域の魅力を市民の手で発掘・再発見し全国、世界に向かって発信し、「産業、雇用に結びつけていこう」、と言う趣旨で、スタートした市民立の産官学民協働プロジェクトです。

 2007年7月からスタートしましたが、真珠発祥の地である英虞湾の歴史や産業は調べれば調べるだけ飽きることがありません。    また、環境問題では、自分たちの生活を通し、素晴らしい自然との関わりを改めて見つめ直すなど、身近な題材から掘り下げて、幅広い年代の方々が参加し、徐々に参加する人から運営する人へと、輪が拡がっています。

 2008年度は、伊勢志摩再開発を掲げる近畿日本鉄道株式会社や、観光協会、漁協、真珠・旅館組合、三重県、志摩市の環境研究所なども参加し、地域を挙げて活性化に向けた取り組みを予定しています。

「伊勢志摩ビジネスファクトリー」

 志摩市および近隣に一般的大学が無く、大学進学と同時に自宅を出てしまい、卒業後もそのまま志摩市へ戻って来ないケースがこの地でも多く見られます。 しかし、話を聞いていくと都会がいいと言うよりも、就職先が無くて戻って来られないと言った若者が多くいることに気づきました。

 自営業で戻ってきたリーダー的な若者も少しずつ増え、地域発信でビジネスをやりたい、 と言う気持ちを持った若者も増えてきています。 この若い力を結集させて、様々なプロジェクトから上がってくる情報や人材を結びつけ、『新たな雇用の創出』を目指しています。

 伊勢志摩ビジネスファクトリーは活動を通し『社会起業家』を育成していきます。 私たちは、こうした環境づくりを意識して、「プロジェクト」として、あらゆる立場の人々を巻き込み、創っていこうと考えています。

 潜在的にこうした活動に参加したがっている人は、実は全国各地に、もの凄い数いるのではないかと思っています。 それは、この地に限らず、どの地域に出かけても「プロジェクト」のお話をすると身を乗り出して聞いてくる方がたくさんいるからです。現に、この志摩市でも「面白いよそ者がきた」という感じで、一緒に「プロジェクト」を盛り上げてくれています。

 この「伊勢志摩元気プロジェクト」の様な活動は、学校のような集える場所と行政の協力そして、言い出しっぺのキーマンさえいれば成立します。全国何処の町でもスタート可能なプロジェクトとして、成功事例を発信していこうと考えています。

 現在、伊勢志摩元気プロジェクトでは、 「『楽しくて得をする』、でも『当面はそう思える人だけ参加してください』」 と言って、多くの方に夢を持ってもらい、プロジェクトの輪を広げています。